眼下の敵|エース同士の頂上決戦をときめく女子の目線でレビューする

THE ENEMY BELOW 映画
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こんにちは。

私の記憶が正しければ、
今までに238本の映画(DVD含む)を観たモトコです。

年間で、じゃありません。
人生で、です。

「自分ピッタリの映画を教えてくれる」AIアプリに、今まで観た映画を思い出せる限り登録したら、こうなりました。

ジャンルにこだわりはありません。
ポップコーンはバター多めの塩味で!

さて。

今回は超有名潜水艦映画、それも古典的名作と言われる「眼下の敵」についてです。

この映画のレビューなんて、
もうすでに山ほど出尽くされてますが、私は変なところにフォーカスするクセがあるので、
まあそういうレポートになっています!

眼下の敵はただの対潜戦にあらず

ご存知ない方のために:あらすじ

この映画は1957年、アメリカと西ドイツの合作ハリウッド映画で、原題は「The Enemy Below」と言います。
(年代の割に映像からはそんなに古い感じしません。音もクリアです。カラーです。)

数多のレビューでは【頭脳戦・駆け引き・好敵手】あたりのワードがよく出てきます。

舞台は第二次世界大戦下の南大西洋。
トリニダード・トバゴへ向かうアメリカ駆逐艦ヘインズの最新ソナーが、
ドイツUボートの存在をキャッチするところから【キャプテン同士の意地とプライドをかけた頭脳バトル】が始まります。

Uボートには、敵国イギリスの暗号表を母国へ持ち帰るというミッションがあり、それを入手するには進路140(南東方面)を進むしかなく、ヘインズに気づかれても、すぐに遠くへ逃げ出すわけにいきません。

レーダーを介して、お互いを試すように動いたり、動かなかったり。

しれっと追尾を続ける駆逐艦。
夜明けを待ってUボートに爆雷攻撃開始。
前半は駆逐艦優勢か。
海底への潜航を余儀なくされるほどの、容赦ない攻撃。

どかーん!どかーん!ドカンどかーん!
どかーん!!土管どかんどかーん!どかーん!!

耐える潜水艦とパニクる乗組員、、、に言葉をかける艦長、、、にしびれるモトコ。

繰り返される攻撃の中で、
Uボート艦長はヘインズが一定のパターンをもって、攻撃してくることに気づきます。
オイルまみれのおっさんがです…

先に相手を出し抜くのはどっちなのか?
沈むのはどっちか?
どっちの艦長が好きか?
というふうにのめり込んでしまう映画です。

見どころ:モトコ視点で恐縮です

ワン・シチュエーション

こういうのをワン・シチュエーションて言うんですよね?
最初から最後まで舞台は海の上か下。
駆逐艦の上か、潜水艦の中。

時間の流れも、前日から翌日にかけての両者の攻防を描くのみ。
回想とか突然「2年後」とかもありません。
登場人物も海軍の男性だけ。

場所や時間が限定的な分、
緊張感も閉塞感もギュッと濃縮されて進行します。

ギョーカイ度高め

当然ですが、艦用語がたくさん出てきます。
私と同じフィールドの住人なら、その辺も密かに楽しめます。

前進全速、面舵20、右舷3度、ジグザグ走行、無音潜航、艦尾魚雷、の再装填、造泡カプセル、潜望鏡深度、ようそろ(英語では「steady」と言ってます)。。。

あー心地よい刺激。

爆雷(水中爆弾)投下シーンは、当時就役していた本物の駆逐艦を使用しています。
私は駆逐艦のことはよく分かりません。

水中シーンはミニチュアを使った特撮で、見た瞬間わかっちゃうんですけど、CGのない時代、私はなんだか厳かな気持ちで見入ってしまいます…。

艦長同士のカッコ良さに関する対比

■経歴

【アメリカ駆逐艦艦長:マレル】
元民間の貨物船三等航海士。
乗っていた船がUボートの魚雷で真っ二つ、同乗していた妻が沈み、マレルも25日間ボートで漂流。
生命力ある男は、それでも懲りずに駆逐艦の艦長になる。

【ドイツUボート艦長:シュトルベルク】
第一次世界大戦からのベテラン艦長。
ともに軍人だった子ども2人を戦争でなくしていますが、誇りに思っています。

■セリフに見る戦争観

マレル艦長とシュトルベルク艦長が、それぞれの戦争観を語るシーンがあります。

マレル<br>
マレル

悲惨と破壊に終わりはない。頭を切り落としてもまた生える蛇だ。殺すことはできない。敵は我々自身の中にいるのだから。

それを敵と呼ぶことはできる。しかし我々の一部だ。同じ人間だ。

シュトル<br>ベルク
シュトル
ベルク

(第一次世界大戦と比較して、戦争がハイテク化したことを受け)

人間的な過ちは失せ、戦争から人間味が消えた。この戦争にはいいところがなく、勝っても醜悪な記憶になるだけだ。この戦争は無益だ。

これは驚き!
アメリカとドイツの両艦長とも、戦争に対しては批判的(厭戦的)な態度です。

誰の何のための戦争を戦っているんだろう。
二人とも、戦争の本質を言い当てているように見えます。

その上で任務を遂行します。

■乗組員に聞きました

※吹き出し、デフォルトのままでスミマセン…。なお乗組員は仮名です。
マレル艦長について聞かせてください。

マイケル
マイケル

最初は艦長室から出てこなくてさ、みんなが船酔いじゃない?とか素人じゃない?とか言ってたよ。漂流サバイバルしたらしいし、トラウマなんじゃない?とかね。

でもそういうの、本人はいっさい気にしてなかったな。クールだよね。

ジョン
ジョン

Uボートの影を見つけてから、急にテキパキ指揮するし、判断もすばやくて、みんな一目置き始めたんだ。けっこうやるじゃんって思った。艦長の顔って眠たそうに見えたけど、最近はドヤ顔にも見えるし、なんだろ、そういう顔みたい。

ルイス
ルイス

Uボートに敢えて魚雷を撃たせるって言ったんだよ。まじかよ!って思ったけど、それを計算してギリギリでかわすわけ。完全に尊敬の眼差しを集めてた。トム(仮名)なんか投げキッスしてたよ(笑)

そうですか。
船酔いの無能と思わせ、実はデキる男。
勢いに乗って余裕を感じさせます。

ぜひ同じ船で仕事したいですね💕

では続いて、シュトルベルク艦長ってどんな方ですか?

ミハエル<br>
ミハエル

経験豊富でいつも落ち着いてる。叩き上げの職人みたいな人でさ。爆雷でやられてる最中も、すっごい苦い顔してるけどひるまないね。魚雷を外した時があったんだけど「あの野郎素人じゃないな。俺だってな!」って息巻いてたよ。意外と熱血派かも。

ハンス
ハンス

部下のハイニのことは戦トモだと思っていて、なんでも本音で話せる仲みたいだな。前の大戦の思い出なんか、楽しそうに話すんだって。「いいゲームだった!」ってそれ運動会かよ!みたいな。

セバスチャン
セバスチャン

人間味ある人です。攻撃を受けてカール(仮名)がパニックになった時、「死ぬことも我々の任務の一部だが、俺たちは死なない」と言っておさめてくれました。この艦長を信じよう!と思ったのは私だけではないと思います。

なるほど。
ふところの深さと少年の心がちょうどいい塩梅。
くすぐってきますね💕

私だったら海の底までついて行きます。

指揮官としての能力、部下からの信頼においては、両者甲乙付けがたいものがあります。
以上、現場からお伝えしました。

■これが鴻鵠の志ってやつか

やはり上に立つ人間は違います。
違うから立てるのか、立ってるうちに違ってくるのか?

どちらにしても、チームに気づきを与え、流れを変えるには、ちょっと視界のいいポジションにいることは大事な気がします。

両艦長は敵対するもの同士ですが、そこに憎しみはなく、それぞれの仕事として攻撃の機会を伺います。
相手を殺す気でいます。

海底で息を潜むUボートを、海上のヘインズが待ち構え、
長期戦に挑む兵士たちにマレル艦長が言います。
「敵はもっと苦しい」

心理的にも追い詰められた兵士たちに、シュトルベルク艦長は命令します。
「歌え!」
みんなキョトーン…

私はこのシーンが心から大好きです。

レコードのボリュームを上げ、全員で熱唱。「ヤホール♪」
海上のヘインズにも、ハイドロフォンを通じて聞こえてきます。
Uボートからのメッセージです。

艦長同士がお互いを【好敵手】と認める瞬間です。

そして、攻撃再開。
巻き返したいUボート。
反撃に出るか?

エンタメだけじゃない

ハリウッドに持って行かれた

この映画は、元イギリス海軍中佐の実体験に基づく小説「水面下の敵」が原作となっています。
歴史上、最もUボートに悩まされてきたのはイギリスだけど、
ハリウッドが丸ごと持っていった感じが否めません。

ドイツ人も、ドイツ人同士で、ドイツ風英語話してます。

後半で、マレルがシュトルベルクに “Do you understand English?” って尋ねてるのは、観てるこっちからするとちょいウケますw

ディック・パウエルの製作意図?

私は、潜水艦界隈のことに携わっている人については、その経緯に興味があります。
が、ディック・パウエルがどうしてこの映画を撮ることになったのか、
思い入れなどについてはあまり情報が拾えていません。

彼は映画を5本撮っており、
この「眼下の敵」は代表作なのだそうです。
気合入ってましたね。

第30回アカデミー特殊効果賞ゲットということです。

シュトルベルクの部下 クンツがヒトラーの信奉者なのですが、
ナチス式敬礼をしたりして、艦長はやれやれ…な顔をします。

シュトルベルクはクンツに代表されるような人を「a new Germany, a machine」(新生ドイツの申し子、機械だ)と呆れていうのですが、戦争をというより、盲信的でいること(今風に言ったら思考停止というのでしょうか)をアホらしく思っているフシが見てとれます。

「我が闘争」を読むクンツの後ろに「総統が命じ我ら従う」というスローガンがあるのですが、なんだか象徴的です。

狙ってるのかな…

終わりに:この海をどう泳ぐ

この映画の「熱」は戦争というより、スポーツに近い気がします。

リーダーがチームをまとめていくところ。
仲間を見捨てないところ。
あまり現実的ではないかもですが、後半に見せるフェアプレーなところ。
リーダーの意地。
友情?

このすがすがしさは何だろう。
女子がチャラチャラっと入っていける領域ではない。

ラストのシーン、セリフもとても有名なもので、紹介したいのも山々ですが。
ここはラストのちょっと手前、
軍医のセリフを残しておきたいと思います。

ドクター
ドクター

私は希望を見つけましたよ。

それもこんなおかしな場所で。

海の真ん中、戦いのさなかに。

私は、
心折れそうな時に行進曲を歌えるかな。
誰に聴かせるのってことですが。

このブログを自分のにして、
これからも進みます。

ではまた!

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