ウルフズコール|フランス発で初!ソナー分析官が主役の潜水艦映画。モトコのフランス珍道中を添えて

wolf 映画のこと
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こんにちは。

人生初の海外旅行はフランスだったモトコです。
それも浪人中
絵画教室の先生と、そこの友達と私の3人で。
(私のおふざけの原点か)
覚えたてのフランス語とともに靴屋に入ったら、
店のマダムは親切にも、
すべて英語で返してくれました。
付け焼き刃は無謀。

今回ご紹介する潜水艦映画「ウルフズコール」
狼の呼び声
↑この冷たくシャープな語感。

フランス語原題も「 Le Chant du loup」(ル シャン ドゥ ルー)
狼の歌。

スリラー感はあるかもですが、
潜水艦の匂い、しますか?
そこがいい!

ここはぜひハリウッドにはない、
フランスのモード全開な映画を
期待したいところです!

では本日のメニュー↓

ウルフズコール|あらすじのアミューズ

主人公シャンテレッドは「黄金の耳」を持つソナー分析官。
フランス海軍の攻撃型原潜チタンにて、
その卓越した聴力を発揮しています。

シリアでの工作員輸送任務中、
キャッチした正体不明の音。
艦艇なのか動物の音なのか、
シャンテレッドはその識別を誤ります。
危機に見舞われるチタン。
※艦長の対処が斬新

彼の耳を惑わせたのは、
データベース上には存在しない、
まるで狼の歌のようなソナー音。
任務を終え「狼の歌」の解析を試みるシャンテレッドですが、
そのための越権行為を咎められ、
体内から大麻が検出されたため潜水艦への乗艦も許されず、失意のどん底。

その頃、ベーリング海よりフランスへ向け核ミサイルが放たれます。
背後に再びあらわれた「狼の歌」…

この歌の正体は?
敵の目論見は?
シャンテレッドの黄金の耳に復活の日は来るのか?
果たして。。。

職人ソックスの黄金の耳|こだわり濃厚仕立て

シャンテレッドは通称「ソックス」
みんなから靴下と呼ばれています。

海自の潜水艦内では、
靴音を抑えるため、ゴム底のシューズを履くと聞いたことがあるのですが、
この映画では必要に応じて、全員スリッパに履き替えます。

ソックスは聴覚命なので、
艦内を靴下だけで3ヶ月過ごしたというエピソードがあるのです。

私が第二外国語でフランス語を取っていたとき、

先生
先生

フランス人にとって靴下は下着と同じ。
だから普通、人前で靴を脱ぐことはしない。

と先生(浅草出身)が言っていました。
今もそこは変わらないのでしょうか。
だとするとソックスは
見上げた職人魂の持ち主です。

ソックスの耳が、実際どのくらいすごいのか?
下記の通り。

○艦艇のプロペラ(ブレード)の枚数を、
音だけで当てる。

○上官のパソコンのパスワードを、
キーボードのカタカタ音だけでおおかた判別可能。

○彼女が後ろからそぉーっと近づいても、
その距離とタイミングがわかる。
イチャイチャしてんじゃねえ。

ソナー員としての能力テストをするシーンがあるのですが、
音の表現力なんか、ソナーソムリエのようです。
そこもっとやって欲しかった。

耳とは関係ありませんが、
ソックスが自宅のパソコンで「潜水艦」とググるシーンがあります。

それわかる!
モトコにとっては、
同類に出会えた瞬間です。

本日の潜水艦ネタ|宝石のジュレとともに

フランス潜水艦の名前

ソックスが勤務しているのは攻撃型原潜チタン。架空艦。
チタンとはチタニウムですね。
これは実在するフランスのリュビ級潜水艦がモデルになっています。Wikipediaによる。

リュビとはルビーのフランス語読み。
チタンのモデルがルビー。
はいはい、この手のやつ来ましたよ。

調べてみるとフランスの潜水艦には
サフィール(サファイア)、エムロード(エメラルド)、ペルル(パール)など
宝石にちなんだものがあるんですね。
なんかフランスらしいなあ😆
マリー・アントワネットの国だなあ。
(全体的には地名も人名もあります)

ソックスが乗艦できなかった、
戦略ミサイル原潜レフローヤブルのモデルは
「ル・トリオンファン級」というそうです。
意味は「勝利」
まあわかる。

他にも「大胆」「周到」「恐怖」という名の同型艦があります。
潜水艦の名前ですかこれ。
なかなかフランスのエスプリというものは
凡庸であることを許さないようです。

トム・クランシーの評価

ここは個人的に興味深いところです。
さっそく例の本、見てみましょう。

フランスはいささか
定石破りなことをやった。

トム・クランシーの原潜解剖 Tom Clancy 著 平賀秀明 訳 新潮文庫

おっとこれは!
やはりフランスは凡庸さを嫌うよう。
フランスはNATOから自立した核抑止力を望み、
そのため攻撃原潜よりも、弾道ミサイル原潜の開発を優先させたそうです。
だいたい普通は簡単な方から着手するけど。

潜水艦の輸出大手

フランスといえば、
潜水艦の輸出にかけては百戦錬磨なのだそうです。

オーストラリアとの潜水艦建造契約を破棄され、激おこのフランス。

オーストラリアの後継潜水艦(原潜じゃない)に関しては
もともとはフランス、ドイツ、日本の3カ国が提案する中で
採用されたフランスでした。
(ドイツは途中棄権したんだっけ?)

オーストラリアが原潜を持つのは、
日本にとっても悪いことではなさそうですが
それでフランスとの比較的良好な関係を冷やすこともしたくない、
っていうふつうの答えしか出てこないなあ。

破棄された計画は
通常動力型潜水艦12隻分、
期間50年、
費用7兆円超というスケールでした。
というかフランスってそんなすごいの?

フランスの怒りは、経済的痛手だけではないような。
プライドの問題のような気もします。
それにしてもフランスってそんなすごいの???

潜水艦映画にロマンスはありか|恋のパイ包み

これまで潜水艦映画をわりと見てきた方だと思いますが、
このテの映画でラブシーンを見たのは初めてです。

見たというか、出くわした。
さすがフランス、というほかないでしょう。

ソックスは「狼の歌」の究明に際し、
「フーリエ変換による高調波スペクトル」に関する本を探しに本屋へ。
そこで店員のディアンに一目惚れ。
もう初対面だろうが関係ない。
回転良すぎる恋のプロセスを前に、
念のためボリュームを下げるしか(笑)ありませんでした。

この可愛い彼女はマリファナを吸うのですが、
一緒にいたソックスも乗艦前の検査で引っかかり…

でも偉いな。
彼女を責めることも恨むこともなく
ひとり落ち込むソックス。

職人は孤独

命令は重く命は軽い|核ミサイルのゼリー寄せ

潜水艦から核ミサイルを発射するのか、阻止するのか
みたいな話は他にもあると思います。

一度出された大統領令は、ほんとに取り消せないものなのでしょうか。
だから間違えんなってことだけど。
フランス海軍は一度ミサイル発射の命令を受けたら、
外部との通信をいっさい遮断し、
命令遂行あるのみということが描かれています。

あの艦長グランシャンの鉄の意志。
信頼がおけるはずの、
元部下の捨て身の働きかけも拒否。

同じ国の潜水艦同士、
ミサイル1発のことで相打ちなんて、
という思いがよぎります。

命張ってるのに、ごめんね。
真剣にやってるのに、ごめんね。
女子には「戦争」っていう発想がなくて。
そのくだらなさをどう考えたらいいのかな。

終わりに|インスタ映え以前の思い出ソルベ

映画のレビューと私のパリ行き。
なんの関係もありませんが、
時を経て、こんなところで手を繋ぐとは。

まだスマホがなかった当時、
写真はデジカメ撮影が多かったのですが、
私も友達も、あろうことか初の海外にカメラ不携帯でした。

でも特別
「忘れたあぁーっ(泣)
という感じでもなく、
「カメラ持ってくれば良かったね」という後悔でもなく、
ないならないで良し、
淡々とすべてを
肉眼に記録して帰ってきたのでした。

なので、このときの写真はマジで1枚もないのです。
滞在5日間。

思い返してみても、
1日でおそらく100枚以上、
写真に収めるべきものはありました。

同行した先生が、
彼女に会いに行くと言って
(どんなんだよ!?)
2日間ポルトガルに行っている間、
私と友達はサングラスを買い、靴を買い、公園で昼寝し、カフェに寄り、
ルーブル美術館で過ごしました。

完璧に言えたのは以下6つ。
「アン キャッフェ シルヴプレ」
(コーヒーください)
「セ ボン」
(美味しいです)
「セ デリシュー」
(めっちゃ美味しいです!)
「ジュ ヌ コンプラン パ」
(わかりませんね)
「ウ ソン レ トワイレット?」
(トイレはどこかのう?)
「ヴァン セットゥ」
(27ホテルの部屋番号。別に英語でいい)

↑使えます。

ウルフズコールには、
潜水艦映画としては珍しく
潜水艦乗りである主人公が街ナカで過ごすシーンがあります。
チャリで本屋行く。
デートする。

そんなのを見ていたら
だいぶ昔のことだけど、
バスで挨拶したマダムのヘアスタイルや
香水の香り
あの石畳
朝食のクロワッサンを
ふっと思い出したのです。

あちらのデザイン学校の日本人学生と話したこと。
他の学生も加わって、日仏英のカオスな会話になったこと。

お気に入りのレストランへ行く途中、
「この辺は俺の縄張り」と平然とぶっこく先生。
だけど先生の仏語が意外にも流暢だったことを。

市場のビーズ詰め放題で「詰めすぎだ」と怒られたこと、
プロヴァンスコットンをお土産に買ったこと。

温かいタルトタタンの感動や、
リアルで見たサモトラケのニケを。
防弾ガラスの中のモナリザを。
そのモナリザにたかって、遠慮なしにフラッシュをたくツーリストを、
シャルル・ド・ゴールで「あたし帰りたくない」と言った友達を…

一気に思い出しました。
まだまだじゃんじゃん出てくるぜ。

肉眼に焼き付けるとは
つまりそういうことなのですね。

有機的につながりあって、
自分の身体の一部のよう。

ソックスが自分の耳を信じたように
私も五感を信じる。
できることはたぶんそれだけ。

永久保存はしないから。

ではまた!

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