おやしお型からそうりゅう型へ|パッと見わからない潜水艦の違いをマジメにまとめてみようの会

潜水艦のこと
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こんにちは。

最近、メイク動画にハマっているモトコです。
ふだんのメイク5分。

メイク動画すごい!
多種多様なコスメの中から選び取る貪欲さ。
その色を選択する理由。
欠点を克服する探究心。
自己嫌悪や卑屈さ、からの圧倒的な自己肯定。

自信

ビフォーアフターの衝撃はあるものの
スッピンより
makeした顔こそがその人の素じゃないかと
思ってしまうのでした。

で、ですね
今回はその逆(逆?)
見た目にはちょっと分かりにくい
潜水艦のビフォーアフターです。

ビフォーアフターというか
そもそも型が違うわけですけども。
ここはビフォーアフターということで。

ちなみに、
色の選択はだいたいです…

おやしおとそうりゅう比較

太平洋戦争の後、
日本海軍は解体され、保有する潜水艦も一度は全て処分されたのですが、
アメリカから訓練用にお古を貸与されて以降、
再び国産潜水艦の建造がスタートしました。

現在就役しているのは
おやしお型
そうりゅう型
たいげい型 の3種

私は、
そうりゅう型は日本の革新的な潜水艦だと思っているので
ここでは特に【おやしお〜そうりゅう】をまとめています。

おやしお型潜水艦

【建造時期】
 1994年〜2008年 同型艦11隻建造

【命名基準】
 海象から:○○潮
 ex)おやしお、みちしお、うずしお…など戦後ずーっとこのパターン
 ちなみに「○○なみ」っていうのは護衛艦が使ってる

【大きさデータ】wikipediaによる
 水中排水量:3,500t
 全長:82m 全幅:8.9m 深さ:10.3m

【形状】
 それまでのティアドロップ型(涙滴型)から初めて葉巻型に。
 先端がマグロっぽかったんだけどクジラっぽくなった
 ※魚雷発射管をより前方に移動したため

【機関】
 ディーゼルエレクトリック方式
 ●ディーゼルエンジン→鉛蓄電池に充電→電動機→プロペラ回す

【兵装】
 ●魚雷発射管6門
 ●89式魚雷
 ●ハープーン対艦ミサイル

そうりゅう型潜水艦

【建造時期】
 2005年〜2021年 同型艦12隻建造

【命名基準】
 瑞祥動物から ○○龍
 ex)そうりゅう、うんりゅう、はくりゅう…など
 ※ 9番艦「せいりゅう」の漢字表記は「清」となる。

もうこのネーミングセンスからして
次世代感出てるなあ。
あーそうそう、命名基準についてはこちらもどうぞ↓

【大きさデータ】wikipediaによる
 水中排水量:4,200t
 全長:84m 全幅:9.1m 深さ:10.3m
 おやしおよりちょっと大きめ

【形状】葉巻型
 おやしおと同じ

潜水艦の船体の形は
船形→涙滴型→葉巻型と変化してきました。
ルーツを追ってみたい方はこちらもありマス↓

【機関】
 ディーゼルエレクトリック方式
 ↓10番艦しょうりゅうまで
 ●ディーゼルエンジンまたはスターリングAIP→鉛蓄電池に充電→電動機→プロペラ回す
 ※AIPとは非大気依存推進のこと。
 ディーゼルエンジンを動かすために浮上・シュノーケル航走して吸気する必要がない。
 ただ低出力で速力もないため補完的に使う。

 ↓11番艦おうりゅう、12番艦とうりゅう、続くたいげい型もこれ
 ●ディーゼルエンジン→リチウムイオン電池に充電→電動機→プロペラ回す
 ※リチウムイオン電池は数日から2週間ほど保ち、充電速度も早いので浮上回数・時間は減る。
 ※静粛性、安全性向上

【兵装】
 ●魚雷発射管6門
 ●89式魚雷
 ●ハープーン対艦ミサイル
 ここまではおやしお型と同じ
 ●魚雷防御システム
 ↑8番艦から。ジャマーとか自走式デコイとか、向かってくる魚雷を音響的に撹乱させるやつを発射する

以上、モトコにもできるざっくり比較でしたw

ちなみに潜水艦のエンジンについてはこちらの記事も↓

おやしおとそうりゅう|見分け方

艦艇には艦番号というのが付与されていて
潜水艦ならセイルの側面に白い文字で書かれるのですが
就役するときに消してしまいます。
(隠密行動にならないので)

海上自衛隊 潜水艦隊(公式)Twitterより

そのためよく似た潜水艦は見分けがつきません。
自衛官でも別の同型艦に出勤してしまうことがあるそうです。

ですが、同じ葉巻型である
おやしおとそうりゅうの見分けポイントというのはありまして。

モトコ的には
外見上の違いというのは3つだと思いますよ、ええ。
4つあったらスミマセン。
5つあったらもうほんとなんて言っていいやらスミマセンね。

十字舵かX舵か

潜水艦の艦尾についてる舵ですね。
その形状から
おやしおは十字舵、そうりゅうはX舵と言います。

浮上、停泊している潜水艦なら
水面に突き出した舵の形状だけで
おやしおかそうりゅうかを見分けることができます。

rudder3
モトコの脱力イラストシリーズ

イラストを使い回してみた。

舵についてはこんなのも書きましたねえ↓

セイルのフィレットの有無

これはそうりゅう型ですが、
艦首側、セイルの付け根あたりが
なだらかになっているのがわかりますか。
セイルにフィレットを取り付けてこうなっています。

出典:潜水艦隊ホームページ

フィレットは「整流覆い」とも言いますが
海水の雑音低減のためだそうです。
これがあるのがそうりゅう、
ないのがおやしおです↓

出典:潜水艦隊ホームページ

セイルの前面が下までストンとしてますね。
後ろの十字舵もわかります。

潜望鏡の形状

そうりゅう型から潜望鏡にも大きな変化が。

従来は
光学的に艦内から外を見るため
○長い筒状のマストが耐圧殻を貫通していて
主に艦長(とか哨戒長)一人しか覗けないものでしたが、

○マストの先のデジタルカメラが映像をデータ化し
○光ケーブルで発令所に送るのでマストは耐圧殻を貫通せず
艦内のディスプレイに映されみんなで同時に共有できる

ようになりました。

潜望鏡はレーダーやアンテナ類と一緒に
セイルからにょきにょき出ているのですが
(潜航中は格納されてる)
先端が筒状なら貫通式、
菱形なら非貫通式となります。

出典:潜水艦隊ホームページ

この写真だと手前2隻はそうりゅう型、
いちばん後ろはおやしお型ですね。
T字型をしたやつはレーダーです。

耐圧殻ってのは二重構造になっている潜水艦の内側の壁のことですが、
これはなるべく穴開けるとかしたくないわけです。
潜水艦の構造について詳しくはコチラ↓

ネットでいろいろ調べていると、
どうも光ファイバーのことを「光学式」だと思ったまま説明している文章もありましたが違いますよ。

光学式とは
光の作用の仕方っちゅうか?要するに。潜望鏡の場合はぁ、プリズムやレンズで、だからこう…光をどうにかさせてだね…たぶん屈折とかさせて、そうするとほんとだったら死角になってるものも…ま、見えるようになる」みたいなことですよ。

モッちゃんの限界…↑

そんな潜望鏡についてゆるっとした記事がこちら↓

造船所はここを見るとわかる

日本の潜水艦は
三菱重工と川崎重工により毎年交互に建造されているのですが、
セイルの扉の形状で、どちらで作られた艦なのかわかります。

角のかくばってるのが三菱、
丸っこいのが川崎です。

海上自衛隊 潜水艦隊(公式)Twitterより

左側の写真でわかりますかねえ。

どうでもいいんですけど
こういうの気にしない人は気にしないし、
気にする人は気にするので…ね…。

終わりに:いや、ぼちぼち始めようと思う

しっかしなんもないな…

なのでまとめるとですね、
おやしおとそうりゅうの主な違いは

①AIP機関
リチウムイオン電池もまあAIPと解釈できなくもないかな。 

②X舵 

③非貫通式潜望鏡

の3つかなと思いますね。主にはね。

たまにネット上で、
「おやしおとそうりゅうの見た目の違いは何ですか?」
みたいな質問見かけるのですが、
だいたい十字舵とX舵のことが説明されてますね。

一番わかりやすいところだと思います。

なんですけど、見た目に関しても
私、上に3つ書きましたからねっ!
少なくとも3つありますからねっ!

やはりですね、このブログでは
潜水艦のことを正面から
ガツっと取り上げた記事が読まれますね。
アタリマエ…
艦の鋼材だのアメリカの原潜だの潜望鏡だの
みんな鉄のカタマリ好きなんですね。
オマエモナ…

でもそう思って書いといてなんですけど、
そんな記事はすでにあるのですよ。
オーソドックスでオーソリティ高めなやつが。

ちゃんとしてそうな記事に来たついでに
ついうっかりおふざけ記事にも寄ってしまった人。
あなたの行動は正しい。
メインはそちらです。

そしてこのブログにも
そろそろ新たな手を加えていきたいのです。
面倒だしまあいいや…と思ってたことも
やってみよっかな、なんて。考え中。

モトコブログのビフォーアフター
たぶん忘れた頃に完成するかもです。
お楽しみに!?

ではまた!

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