こんにちは。
「型破りという型」に、はまらない艦長を探したいモトコです。
型から自由になるのは難しい。
存在を保証するのは、型だったりして。
片付けものをしていると思う。
分類不能のものは、
常に行き場がない。
そういう定位置のない状態は、
カッコ良かったり、惨めだったり。
潜水艦艦長。
主役になる艦長より、
ならない艦長の方が多いのです。
そういうもの。
そして、
自分だけの宝物はそういうところにあったりする。
見逃さないから!
ってことで始めまーす。
レッドオクトーバーに対峙する米原潜ダラスの2人
バート・マンキューソ艦長
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソ制服-1024x599.jpg)
ヴィト・バートロメオ・マンキューソがフルネーム。
イタリア系の名前らしい。
モトコはネズミ系だなと思いました。
原作ではマンキューソ艦長は床屋の息子。
まったく子どもの将来というのはわからない。
裏切り方無限大。
「潜水艦艦長」としては主役でもないのに、
モトコの艦長ランキングでは
不動の1位に輝いています。
演じているのはスコット・グレン。
「羊たちの沈黙」クラリスの上司。
名脇役。
ショーン・コネリーには
有無を言わせない存在感がありますが、終盤の大バトル、
ラミウスに代わってレッドオクトーバーの指揮を取り、
鮮やかにケリをつけるのはこの人です。
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソ指揮-1024x602.jpg)
地味にして華麗。
素敵です艦長!
ソ連の脱走艦をまるで自分のフネのように。
扱いに慣れているのは、潜水艦だけですか?
嵐の中、ヘリでやって来たライアンが「ラミウス亡命論」を説いても、
直後にレッドオクトーバー撃沈命令を受けた艦長は、
それを容易に信じることはできませんでした。
時に熱意が、見極めの分水嶺になることはあるけれど、
ライアンの説得は艦長を振り向かせるには至らず、賭けに出る。
![ライアン](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/ライアン コーヒー-150x150.jpg)
僕はラミウスがどんな男か知っている。
次のイワンターンは右舷だ!
イワンターンというのは、
つまりバッフルチェックです。
結果、右舷に回ったのはただのラッキー。
通常運転をちょっと超えたときに、
奇跡は起こる。
一触即発、ラミウスの意図を測ります。
撃って来るかと思いきや、挑発に乗らず静かに浮上。
ここがラミウスの大人なトコ。
一瞬考えて、艦長がライアンにひとこと。
![マンキューソ](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソFin-e1623997609116-150x150.jpg)
あんたのお客さんも結構クールだな。
こっちも付き合うぞ。
英語でもcool customerと言ってますが、そんなふうに表現するあたりクールです艦長!
しかしクールな艦長は、
基本短気。
DSRVに乗り込んで、レッドオクトーバー艦内へ向かうとき。
![マンキューソ](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソFin-e1623997609116-150x150.jpg)
俺をこんなとこへ閉じ込めやがって!
まったくCIAってのは、中央情報局?
ちゃんと看板通り情報集めてんだろうなぁ!
(同乗したCIAのライアンに)
どうだ!
コーヒーの味はぁ!!
![ライアン](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/ライアン コーヒー-150x150.jpg)
・・・・・。
キュートです艦長!
DSRVにいたら指揮官じゃないもんね。
そこでライアンにも拳銃を持たせる艦長。
「相手は亡命したいだけだ」と言うライアンに、
![マンキューソ](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソFin-e1623997609116-150x150.jpg)
ま、命は大事にしろよ。
文句言ってたくせに、
ちゃんとライアンの分も持って来てんじゃん。
というか、亡命論をまだ信じてないのか。
ラミウスと対面を果たし、ようやく亡命の意思を確認するも、
潜伏していた工作員が最後のひと暴れ。
司令塔を任されたマンキューソは、
遅れてきたツポレフとの勝負に全集中。
ついつい巻き戻して見ちゃう。
表向き、米ソどちらもWin-Winで終わらせた名艦長。
ちなみに老眼です。
ゴーグルみたいな老眼鏡がキュート。
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/マンキューソ-モールス-1024x616.jpg)
ソナーマン:ジョーンズ
音楽大好き、耳の肥えたジョーンズはダラスのソナーマンです。
「幻の潜水艦」の音を注意深く探し当て、レッドオクトーバーの航行ルートを予測します。
この「音」を探知するのがいかに困難か、というのはわりと丁寧に描かれており、
不眠不休ジョーンズの粘り勝ちと言えます。
キャタピラーを作動させた場合、
音響ソフトはその微かな音を「マグマの移動」と判別することを発見。
熱っぽく説明するジョーンズがキュート。
レッドオクトーバーの追尾に成功します。
ジョーンズはDSRVでレッドオクトーバーにも同行。
フネが変わってもやること同じ。
どこの国の魚雷かも、推進音で聞き分けられるのですね。
貢献度の高いジョーンズです。
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/jones-1024x742.jpg)
潜水艦ネタ:モトコ視点で恐縮です
キャタピラードライブって?
音を出しちゃいけない潜水艦にとって、革命的な仕組みです。
普通、推進力となるのは艦尾についてるスクリューなのですが、水をかき混ぜることでキャビテーション(気泡)による音が出ます。
この音を極力抑えるため、今も各国がしのぎを削っています。
キャタピラーはスクリューを使わずに、電磁波で大規模な水流を作り出し、無音(もしくは超静音)で航行できるシステムで、数年前に中国がこういう類のものを作ったとか、テストしたとか…。
もう架空じゃないのかも。
魚雷発射にまつわるいろいろ
魚雷発射までの手順を下記にまとめますw
いきなり発射ボタン押してもダメだし、
敵との距離が近すぎてもダメです。
何番と何番の発射管に装填だの、
注水しろだの、いちいち艦長が指示するのでちゃんと聞きましょう。
①発射管に魚雷を装填
②発射管に注水(補水タンクから)
外の水圧と同じにする。じゃないと③ができない。
③外扉を開ける
④発射。次の装填準備(補水タンクへ移水)
魚雷は艦のスクリュー音を追尾してきます。
狙われた潜水艦は、オトリを発射して魚雷を騙したいところですが、
うまくいったり、いかなかったりみたいです。
これで戦闘シーンになったとき、
いつもの3割増しで楽しめること請け合いです!
潜水艦の通信について
ソ連原潜コノヴァロフのツポレフ艦長が、登場するなりキレてたシーン。
![ツポレフ](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/ツポレフ発射-150x150.jpg)
この命令は7時間も前に出ていたんだ!
なんと7時間だっ!!
コノヴァロフは、レッドオクトーバーとの演習と聞いていたので、
全艦隊が出撃する中、撃沈命令を知らずに海底にいました。
これはつまりアレですね、
潜水艦は深いところにいると電波の受信ができなくて、
連絡を受け取るために、ときどき潜望鏡深度まで浮上するのですが、
リアルタイムで受信できないことによるタイムラグ、ということですかね。
あり得ることだとして、やはり7時間も出遅れたと思うとやる気なくす…
かと思ったらツポレフ艦長、俄然やる気に燃えてレッドオクトーバーを猛追。
打倒ラミウスに乗り出してゆくのでした。
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/ツポレフ-e1623369456540-1024x619.jpg)
そんな男らしくも健気なツポレフですが、
マンキューソ艦長の手腕には及ばず。
ちなみにコノヴァロフは、
冷戦が生んだソ連の高速潜水艦、アルファ級原潜となっています。
The Alfa is too quick.「アルファ級はすばしっこい」と言う誰かのセリフがあります。
チタンで出来てる速いやつ、ということで以前記事にしました。
ドルフィン運動
コノヴァロフの魚雷を自分に引き寄せ、レッドオクトーバーの時間稼ぎを助けたダラス。
オトリを発射し急浮上。
30度の角度をつけて、潜水艦が海面に勢いよく飛び出すのをドルフィン運動と言います。
昔は海自の観艦式での目玉でした。
映画でも、目玉っぽい扱いではあります。
舵の操作と、タンクの排水・注水の絶妙なタイミングが取れないとできないそうですが、
今の潜水艦の艦首にはゴム製のソナードームというのがついており、
これを保護するため、今ではドルフィン運動は見られなくなりました。
終わりに:そのまんまで十分なの
今日も誰かがパシッてる
パシリ旅から帰宅の途に着くライアン。
パシリ旅って言ってますけど「任務」です。
「エージェントを派遣する」ってつまりは「パシリをパシらせる」の意。
ダ・ヴィンチの「受胎告知」に出てくる大天使ガブリエルも、要は神様のパシリ。
「大天使」の階級は9ランク中、下から2番目。
何気に階級社会。
パシリを仰せつかったら、
心してパシろう。
乱気流が苦手で、飛行機では眠れなかったライアンが、
ヘリでの移動をこなすうちに逞しくなっていきます。
ヘリからダラスへ乗り移るため、
その浮上を待っているとき。
![ライアン](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/旅終わりライアン-150x150.jpg)
10分余計に飛ぶ予備燃料があるなら、
あと10分だけ待つ!
旅以前の彼からは、聞くことのないセリフでしょう。
パシリの意地。
伸びシロあり!
恐れを一つ克服して、
帰りの飛行機では熟睡するキュートなライアンでした。
自分がキュートかどうかは他人が決める
ただこの映画、
公開からすでに30年経過。
興味から、
今現在のライアン(アレック・ボールドウィン)を検索するのは、あまりおすすめしません。
別のキュートさが弾けてる。
とても不思議ですが、
この非キュート系映画の登場人物は、
みんなキュートです。
攻撃回避を密かに計算するラミウスのお顔。
亡命後の生活を夢見るボロディン。
のほかにも、
ライアンのボスたち、ソ連の駐米大使でさえ…
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/大統領補佐官-1024x612.jpg)
![](https://motokoblog.com/wp-content/uploads/2021/06/駐米大使-1024x636.jpg)
自覚なしに
ちょいちょい見せてくる
この可愛げはなんなんでしょう。
ヒトの魅力は可愛げですか???
可愛げってなんですか???
長々お付き合いいただき恐悦至極ですが、
映画観た方が早いっす。
ではまた!
コメント