こんにちは。
潜水艦映画に、
コメディ部門があったなんて知らなかったモトコです。
アクション系や冷戦系に見られる、
シリアスな場面や、
艦長の人格&能力は
どんなふうに描かれているのでしょうか。
モトコが潜水艦映画に求めるのは次の3つ。
①緊迫感とてんやわんや
②冴えたソナーマン
③オーダーをキメまくる艦長
作戦とか二の次だったりしますw
考えてみたら、全ての要素がお笑いと
紙一重!?
これは楽しみです!
イン・ザ・ネイビー 原題は「DOWN PERISCOPE」
1996年劇場公開時のタイトルは
「DOWN PERISCOPE」(潜望鏡を下げろ)でした。
これは1959年のまじめな名作
「UP PERISCOPE」(潜望鏡を上げろ)という映画の、
UPをDOWNに変えただけのタイトルなのですが、
じゅうぶんおふざけの気配があります。
DVD発売から邦題は「イン・ザ・ネイビー」となっていますが、
狙いはよくわかりません。
出だしの方向性に耐えろ
型破りすぎ艦長:ドッジ少佐
やっぱりか・・・
海軍で語り継がれる
タトゥーのエピソードをもつドッジ少佐。
酔っ払った勢いで、
おっかしなところに
「Welcome board(乗艦歓迎)」というタトゥーを入れています。
映画冒頭から、
だいぶ 違う方へ型を破りにいってますが、
「こういうノリかあ…⤵︎」
と思った人、ここ踏ん張りどころ(?)ですよ。
部下を従えて潜水艦に乗って以降のドッジ少佐は、比較的「受け」に回っており…。
そんなところも見てあげてほしい。
ドッジ少佐は、能力はあるけど言うことを聞かないので、
上司の中には支持派もいるし、強烈な反対派もいます。
そのため艦長候補に名前が挙がるものの落ち続け、次はありません。
そんな彼に与えられた、
艦長昇進へのチャンス。
が、こちら↓
インポッシブルなミッション
ロシアが中東に旧式のディーゼル潜水艦を売っており、
その艦が突如攻めてきた時のために、大西洋で模擬演習を行うことになりました。
ドッジ少佐には、
第二次世界大戦時代のバラオ級ディーゼル潜水艦、
超オンボロ「スティングレー」に就任し、
アメリカ最新原潜が待ち構える港を
侵攻せよ、とのミッションが与えられます。
つまり、未知の侵略者として攻めてくる側をやれってことですね。
1隻のディーゼル艦が原潜艦隊に挑むなんて。
ここにドッジ反対派上層部の目論見も乗ってくるのですが、
少佐は、成功したら今度こそ原潜の艦長に!と約束を取り付けます。
まあ、結果は読めますけれども。
配られたカードで勝負する
反対派上司によって、
ドッジに不利になるよう慎重に配慮されて集められた乗組員たち。
(本人たちはそんなの知らない。)
元ギャンブラーとか、不良とか、気の利いた采配です。
乗艦おめでとう。
副長のマーティ
いつもキレていて、めんどくさい人です。
乗艦直後、ドッジ艦長にこう願い出ます。
こんなボロい艦でアホどもと一緒にされたら出世できませんっ!
転属させてくださいっ!!
俺たちはもうチームだ。
お前の将来は「アホども」の手中にある。
ルールに真面目で融通が効かないタイプですね。
使い方によってはおもしろいはずなんですけど。
本人が言うように、
愛されたっていいはずなんですけど。
残念です…。
ソナーマンのソナー
おバカそうに見えて大活躍です。
おそらく私の知るソナーマンの中で、彼が最も優秀です。
例えば、
何か聴こえるか?
バックマン(補給係)が
キッチンでオレオ食ってます。
・・・海のことを聞いてるんだ俺は。
すごいですよ、銘柄までわかるんだから!
またクジラの鳴きまねで、
演習上の敵となる原潜のソナーを騙します。
キイーーッ!!
キイーーーーッ!
ソナー係
どうやらクジラです艦長。
2頭いるようです。
(真剣)
同じ映画で、この空気の違い。
潜航指揮官のエミリー
この時点ではアメリカでも、
女性はまだ潜水艦に乗ることはできなかったのですが、
(アメリカで女性の原潜乗組員が誕生するのは、この映画公開の少し後。)
「女性の能力が潜水艦内でどう生かされるか」という、
驚くほど雑な試みを口実に送り込まれました。
「アホども」のあからさまなセクハラも物ともしない、
(シミュレーション上)成績優秀なエミリー。
ご心配なく。
自分で対処できますから。
(強気)
だが、しかし。
着底のコントロールを実践したことがないエミリー。
艦の衝撃音のために、原潜に居場所を知られます。
(ソナーのクジラのおかげで)
危険を回避できた後も、責任を感じて落ち込みます。
励ます艦長・・・。
そんな二人に何かややこしいことが起こるんじゃないかと、気にしすぎるみんな。
何も起きない。
そのぐらいじゃ起きない。
潜水艦ネタ:モトコ視点で恐縮です
「ピンを打て」?
原潜オーランドの艦長が「ピンを打て」と指示するのですが、
私はこういう言い方を始めて聞きました。
字幕も「ping」となっています。
部下がそれに対して「我々の位置も知られることになりますが」と言っていたので、
アクティブソナーのことと思われます。
後半にも部下が「ピンを打ちますか」と聞いていて、
その時の字幕には
Shall I go active?
ということで、アクティブソナーです。
「タンカーの下につけ」
周囲を原潜艦隊に囲まれたスティングレー。
近くを航行中のタンカーの下について、
その左右のスクリューの間に潜り込め、と艦長が言います。
「奇抜で危険な」作戦です。
「なぜですか?」と潜航士エミリー。
エミリー、君はシロウトか。
そんなんモトコにだってわかる。
自分の音を消すためだ!
とにかく音を消したいんだよ潜水艦は。
失敗から立ち直れず、
「自分にそんな指揮はできない」と頑ななエミリー。
いい感じですね。
ここは艦長の、
腕と器の見せどころです。
タトゥーじゃない。
「D・B・F!」
映画終盤、ノリノリの場面で、
機関士のハワードがこれを叫んでいるのです。
ちなみに吹き替えでは「ディーゼル艦は不滅だ!」
始めて聞いたのですが、調べてみると
Diesel Boat Forever
(ディーゼル艦よ永遠に)の略で、
昔のディーゼル潜水艦乗組員の徽章に刻まれているのだそうです。
「D・B・F」と。
現在アメリカ海軍には原潜しかありませんが、
原潜も最初は不備が多く、
都度ディーゼル艦の助けを借りていたそうで。
ディーゼル艦乗りの誇りですね。
スティングレーの「出口」が変
潜水艦の乗り降りは絶対ハッチからすると思うのですが。
あの潜水艦上部にある、円い蓋の、垂直の、はしご使って。
艦長もみんなも、
帰還したスティングレーのハッチからではなく、
普通のちっちゃい扉から出てくるのは、どういうわけだ?
初めて見ました。
映画のツメの甘さ?
舐めてんな。
スティングレーは架空の艦ですが、バラオ級の古い艦を使っているとは思うのです。
この扉は撮影用ですね、たぶん。
たぶんね。
終わりに:I love this job!
イン・ザ・ネイビー。
正直心配してましたが、
見るべき点はいくつかありました。
知りたいとか、調べたいと思わせるものに出会えるかぎり、
私は生きていけます。
今回のてんやわんやシーンは
不良少年が荒々しくも懸命に対処する、
どこか心温まるてんやわんやでした。
着底後のぜったい音を出しちゃいけない場面。
艦長が必死のジェスチャーで指示を出します。
ソナー、クジラの鳴きまねしろ!
は・・・?
クジラだよ。
鳴き声、テープに撮ったんだろ?
あれやるんだよ。
これ??
そうじゃないって!
鳴きまねだよ。
クジラの言葉覚えたいって言ってたじゃん。
おまえならできるよ。
頼むよ。
クジラのまね!
やるのっ!!
あ!
以上、手に汗握る緊迫のシーンでした。
I love this job!は
ドッジ艦長が映画の中で言う言葉です。
3回言ってる。
日本語字幕では「楽しい仕事だ!」
そう。
「アホども」が乗艦してきたときも。
魚雷を命中させたときも。
仕事を楽しむって、手強いです。
自信を取り戻したエミリーが、
そのチャンスを与えてくれた艦長にキスしたくなる気持ち。
自由に発言していいですか?
いいとも。
チュ。
わかるよ。
なんだか艦長が素敵に見えるもんね。
おっかしなところに彫った
ようこそ!ってタトゥーを
知るまではね。
ではまた!
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