こんにちは。
人生で一度だけ、人力車に乗ったことがあるモトコです。
観光案内をしながらの軽快な走り。
脚力がスバラシイ。
今でこそ、原子力やらAIPやらリチウムイオン電池やらで動いている潜水艦ですが、
人の力だけを動力としていた時代もあったはずです。
現代のハイテクにつながる
潜水艦の黎明期を、
寄り道しつつ調べてみたいと思います。
遡ることB.C.342年!からの…
自分の持ってる本数冊から、それらしき記述を探してきて、
年代を調べて、時系列にまとめてみました。
実は私は、タートルとハンレーは知っていて、
もう2つ3つ出てきてくれれば、
ネタ的には好都合!くらいに思っていたら、
予想以上に出てきてしまいました(汗)
もちろん、これ以外にもいろんな研究や提案はありまして、全部は調べきれないので、
勝手にモトコチョイスでお送りします。
なお今回は長いので、前編・後編に分けています。
ちょうど飽きてきた頃に一息つけますよ!
ちなみに後編はこちら↓
アレクサンダー大王の潜水鐘:B.C.342年
モトコおすすめ図鑑
この潜水艦の図鑑、カラーの写真や図版が満載でとてもいいですよ。
乗り物好きの小さな子どもが見ても、おもしろいと思います。
プレゼントにしたらおしゃれかも!
日本のものとはまた違う、海外の雰囲気(こってり感?)も味わえます。
動機はなんであれ、その冒険心はグレート
本によってはB.C.332とかB.C.337とかまちまちなのですが、
↑の図鑑にて、
「Diving Bell(潜水鐘)」とか
「Glass Barrel(ガラスの樽)」と呼ばれるものに入ったアレクサンダー大王が、
「THE GREAT DIVER」として紹介されています。
素潜りではなく、何か入れ物(乗り物?)に入った状態で、
海に潜りたかったんですね。なんかわかる。
魚を見たかったのかも知れませんが、空には星が。
夜なのか?夜に海潜っておもしろいか?
そしてアレクはDiving Bellの中に、ネコとニワトリ…いや、説明を読むと「サルとオンドリ」を連れています。謎。
しかも、伝説によると彼らはこのまま海底まで潜って、
そこでPicnic lunchを食べた、とあります。
アレクサンダー大王ってそういう人なんですか。
おそらく好奇心とチャレンジ精神あふれる、
海底ピクニックだったと思われます。
まさにエピソードゼロ。
でも、ガラスってこんな昔からあったんですか?
あんなの作る加工技術も? 謎。
「伝説」とは言われていますが…。
新たな疑問に出会ったところで、次↓
レオナルド・ダ・ヴィンチの潜水艇:15世紀
天才だって失敗するさ
ダ・ヴィンチならもちろん潜水艦くらい作ってそうですね。
トム・クランシーは著書
「トム・クランシーの原潜解剖」の中で、潜水艦のルーツの一つとして、ダ・ヴィンチの「原始的潜水艇」を挙げています。
木製の船殻をヤギの皮で覆い、
防水処理した長いオールで推進力を得るものだったそうです。
人は長い時間、密閉空間にいることはできませんから、
なんとかして酸素の供給が必要です。
↑の図鑑にも【ダ・ヴィンチの実験】として、彼が考案した水中で使う呼吸装置が載っています。
シュノーケルの長いやつ、って言えばイメージわきますか?
これを装着して、ヤギの皮製の潜水艇に乗り込む考えだったのでしょう。
ただ、ダ・ヴィンチのシュノーケルは
長すぎました…。
呼吸用チューブの長さが、
ヒトの気道の2倍だったため、すぐ二酸化炭素がたまってしまい失敗したと書いてあります。
天才ダ・ヴィンチも試行錯誤を繰り返していたのですね。
ウィリアム・ボーンが考えたやつ:1578年
大雑把だけど有望
イギリス人のウィリアム・ボーンによって、
現在の潜水艦の原型ともいえる基本的な概念が示されました。
このボーンさんのご職業なんですけど、
本(by トム・クランシー)によると
「大工で銃器製造業者」とあり、
ウィキペディアによると
「数学者、居酒屋店長および元英国海軍砲手」とあり、
きっと持てるすべてのエッセンスを集結させて、
潜水艦のモトとなるアイデアを生み出したんだろうと、勝手に想像します。
実際に建造されることはなかったのですが、
○船殻は二重構造
○潜航と浮上のしくみ
○水中で姿勢を保つ方法
○櫂による推進方法
など現代にもつながるアイデアが(わりと大雑把ながら)すでにまとめられていたそうです。
コルネリウス・ドレベルが作ったやつ:1620年
史上初!航行可能な潜水艇
「水中を航行できる船」を軍事利用できないかと考えたのが、
オランダの発明家コルネリウス・ドレベルです。
彼は実際、ボーンの設計図をもとに潜水艦らしいものをつくり、
ロンドンのテムズ川で実演しました。
(図鑑などでこの絵をよく見ます。)
またその航行テストでは、
国王を乗せたそうで。
テストなのに。
自信と気概のほどが伺えます。
イギリス海軍のために作られましたが、
残念ながら戦闘力としては、それほど興味はもたれなかったそうです。
当時はまだ、海軍の力というものがそこまで国力を示すものではなかったんですね。
時代を先取りしすぎちゃってあんまり相手にされないという、
先進的な人にありがちなエピソードではあります。
デーヴィッド・ブッシュネルのタートル:1776年
潜水艦史の基本の常連の定番
ついに潜水艇が、
戦うための道具「潜水艦」として歴史に登場します。
それはアメリカ人のデーヴィッド・ブッシュネルによって、独立戦争の最中に造られました。
※トム・クランシーは著書で「実際に使用できる最初の軍用潜水艦を考案したのは米国である」と推し気味に書いています。
「タートル」は潜水艦のことを知りたい人向けの書籍には、必ずでてくると言ってもいいんじゃないでしょうか。
イラストやレプリカの写真がよくみられます。
もう基本の常連の定番です。
もし「潜水艦検定」みたいなのがあったら、5級(適当)の最初に出てきそうです。
「タートル」という名前からわかるように
「亀のような」とか「たまご型」と形容されていたりします。
モトコ的には「どんぐり」だと思いました。外見は木製にタール塗ってあって茶色っぽい。
酸素を供給するしくみは特になく、
人がタートルに乗って水中にいられるのは30分ほどだったそうです。
器用すぎる乗り手求む
これは一人乗りなのですが、ミッション遂行のためには、
①コンパスを見つつ、
②推進用や深度調節のプロペラを手動、もしくは足踏みで動かしながら、
③イラストによると、おそらくは左手で操舵をし、
④敵艦に近づいて船底の下に潜り込み、
⑤爆薬付きのキリを船にねじ込んで、
⑥爆発(ぜんまい仕掛けの時限爆弾)する前にその場から脱出、
という一連のタスクを、30分以内に一人でこなさないといけません。
トラブルが起きても、自分で対処(対処って…)するしかありませんっっ。
図鑑にも
「強くマルチな能力のあるオペレーター」が求められたと書いてあります。
また別の図鑑「THE WORLD’S GREATEST SUBMARINES/David Ross」にも、
「多数のレバーやハンドルを一人で操作しながら、
深度とバランスを保ってキリを差し込むのは、
extremelyに難しかっただろう」ということが書いてあります。
初の攻撃、だがしかし…
タートルが初めて実戦に使用されたのは、
1776年のハドソン河にて。
イギリス艦「イーグル」に近づき、
爆薬を仕掛けようとしましたが、
キリをねじ込もうとしたセクションには金属板が貼ってあり、任務が果たせないまま30分経過。
しかしこれは金属板のせいというよりも、
上の記述にあるように、
水中でタートルの姿勢を保つのが難しく(それもエクストリームリィにな)
船内でそれ用のレバーを回しても、
一ヶ所に集中してキリをねじ込む作業が、そうとう難航したんじゃないかとも思えます。
逃げ帰る途中、敵に見つかり、投棄した爆薬が水中爆発。
敵をビックリ!させただけでした。
マルチな能力の前に高い壁…。
いくつかの果敢な挑戦がありましたが、
ついに戦果はあげられませんでした。
前編は以上になります。
まだイケる方はぜひ後編も読んでみてください!
次は、ようやく潜水艦が兵器として認められるかもしれないし、ん?どうなることやら…です。
始まりはいつだって、ショボくて偉大
失敗はもれなくついてくるの
潜水艦の始まりとしまして、
【アレクサンダー大王の海底ピクニック】から、
【乗れたら天才!タートル】までを見てきました。
現代の潜水艦を知る私たちにとっては、
おもしろおかしく見えるところも多々あるのですが、
最初に思いつく、やってみる人は、偉大です。
その勇気が。
子どもみたいです。変人かもね。
でもやっぱり、なんでもはじめからうまくはいかないですね。
失敗したり、相手にされなかったり。
相手にされないのは、つらい…。
経験できないときは、想像してみる
タートルだって、
一人で乗り込んで、敵の艦を目指していくわけですが、
なんとか到着する頃にはへとへとだったんじゃないでしょうか。
自転車で移動するのとはぜんぜん違うはずです。
人の歩く速度が4km/hに対し、
タートルの速度は2.6km/hくらいだったそうです。
歩くより遅い乗り物を運転するって、もどかしい。
それに爆弾を仕掛けるために、
船底のさらに下に潜り込んだら、
タートルの内部はほぼ暗闇ではないでしょうか。
で、もし水入ってきてそのまま沈んだらどうする?
ろうそくを使えば酸素がなくなってしまうし、照明はどうしていたのでしょう。
船を操作するにも、コンパスを見るにも照明は必要なはずです。
私が調べた本の中に、
もしかしたらそのあたりの記述があったかもしれないのですが、
その時点では私も「内部の暗さ」ということに気付いておらず、
注意して見ていませんでした。
いずれまた調べてみます。
ではまた!
コメント